遺言


先日、所用で九段下に足を運んだんだ。
九段下には、何かと話題になる神社がある。
そう、「靖国神社」である。


今年からお世話になる土地で、様々な思いを抱えて
ここを旅立っていった人に対して一度ちゃんと参拝
をしておこうと思い、なかに入っていきましたよ。


もっとも印象深いのは、参拝後見つけたとある軍人の
家族、兄弟に向けた遺言だった。
僕と同い年で、こんな文章を書くのかと思っていたら
自然と涙が出てきてしまった。不覚にも人目を憚らず
涙を流してしまった。


今の僕は、なんと言う大きな根っこに支えてこられたのか。


とある作家の受け売りではあるが、僕が死んだら遺灰の
一部は、自身の名にも刻まれているように「川」に流して
もらいたいものだ。川にはいろんな流れがある。流れの
穏やかなところ、激しいところ。そんな中を僕はゆらゆら
大河の一滴如く流れ、生命の源、海に流れ、平穏を手に入れる。
そして、お天道様の光をさんさんと浴びながら、水蒸気と
なって空へ向かい、また雨となって地上に帰ってくるだろう。